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『「あの世」と「この世」の散歩道』
経済界

 団体の長をふつう理事と呼ぶが、それは仏教用語で「あの世」と「この世」を行ったり来たりできる人を「理事無碍」といい、この世のことだけでなく、あの世のことまでよくわかっている人生の達人のことを指すという。本書は死を怖れ、タブー視している現代人に、死と向き合ったり、あるいは目に見えない流れ(運命)に乗ってみることで、人生の達人を目指しませんか、という誘いでもある。
 それはまた運命を味方に付ける方法でもある。なぜなら、あの世とは死んでから行くところではなく、私たちは生きているこの瞬間にも「あの世」にも存在しており、死ななくても自由自在に散歩できるからである。したがって、その秘訣がわかれば、我々は目に見ない運命の鍵も手にすることができるようだ。
 本書では、自分の死の時を自覚し、パーティを開いてお祝いをしたあと、至福のうちに肉体を離脱したインドの僧侶や、「願わくは花の下にて春死なむ」と念じて実行した西行、先住民族の旅立ち方など、さまざまな死に方を紹介したり、その結果 、氏自身マハーサマディ研究会(理想的死に方研究会)を設立したいきさつなども述べられてる。
 いかに生き、いかに往くか。氏は大企業に36年間勤務し、12年間役員を務めたなかで、多くの成功者の退職者をも見てきた。だが、社会で成功した人ほど普通 の人に比べて変容がうまくいかないというのが実態のようだ。なかなか「ただの人」になれないのである。そういう意味で成功者ほど、いま癒しが必要であるということらしい。